運命の赤い糸が見えるゴフェ
自分の運命はノア様に繋がっているに違いないと少女のように胸を高鳴らせながら糸を手繰った先が何故かマカだった
「しゃらくせえええええ!!!」
ハサミでぶっちぎって勝手にノア様の糸とがっちり固結びにするゴフェ
これでよし
と思ったのも束の間気付いたらちょんぎった筈の糸がまたマカに繋がっている
「しゃらくせえええええ!!!!!」
その後何度も切っては繋げ切っては繋げを繰り返すものの涙ぐましい努力も虚しくやっぱりいつの間にか糸はマカに伸びている
「いい加減にしろよマカアルバーン!!!」
「えっ、びっくりした、なに…?」
「これだよコレ!赤い糸!見えないのか!?俺とお前を繋いでる憎たらしいこの赤い糸が!」
「えっ、ちょっと何言ってるのかわかんないですね。こわ…」
「キイイイイ!!!!」
キレたゴフェが人目もはばからず"自分とマカは赤い糸で繋がれている"と大騒ぎしたせいで
噂は一晩で千里を駈け翌日にはゴフェルとマカの熱愛がそこかしこに広まった
「いやあああああ!!!」
「ゴフェル可愛い悲鳴あげんね」
「うるさい!元はと言えばこの糸のせいで糸のせいで…!!」
「ちょっとさぁ、目医者さんかメンタルクリニックに行った方が良いよ」
「ばかにするな!俺は異常でもなんでもない!ほんとに赤い糸が見えるんだ!俺とお前は赤い糸で結ばれてるんだよ!物凄い不本意だ!」
「と言われてもなあ」
憤懣やる方ないゴフェルが地団駄を踏むのをなんだか面白いなコイツと他人事のように傍観するマカ
ほっといたらだんだん泣きが入ってきて終いにはやだやだノア様じゃなきゃやだやだノア様が良いお前なんか願い下げだと駄々をこねはじめたゴフェルにしょうがないから一緒に糸を切る方法を考えようと提案するマカ
「…一緒に?」
「1人で模索するより2人で考えた方が心強いんじゃない?ゴフェルの恋応援するよがんば!」
「!!…マカアルバーン、意外とイイ奴だったんだな…」
「今まで悪い奴と思われてたのか」
「いやそれ以前になんかもう死ねばいいと思ってた」
「なるほどお前が死ね」
「いやお前が死ね」
「帰れ!」
「どこに」
「土に」
「つ、土に!?」
なんだかんだ言いつつ仲良くなり始めるゴフェマカ
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