
郷愁と言うものだ
久しく感じなかった暖かな痛みが胸の内側を静かに叩いている
長過ぎる時間を経て通った道程が今更遠くから私を追いかけているのだ
昔もこうして誰かに抱きしめられたかもしれない
羽の触れるような手付きで優しく撫でられたかもしれない
褪せたセピア色の記憶が一つ
頭の隅にポツンと佇んでいる
心地好い四季の風を浴び誰かの膝の上柔らかな日の下で幸福を感じたあの日
それは無償に与えられるものだったから
恐らく今こうして記憶を辿る事にも意味があるに違いない
心地好い風を浴び
誰かの膝の上
柔らかな日の下で
感じるこの甘く切ない気持ちは
彼女が与えてくれるものだから
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