「かゆ…」
「…」
「えーーーかゆッかゆーッ!かゆッ!!」
恋愛映画である。
折角の休みなのでどうせなら一緒に部屋でまったりDVD鑑賞会でもしようと言う事になり冒頭に戻る訳だが
始まってものの30分でマカは根を上げていた。
そもそも彼氏彼女が二人で映画を見るならばやはりここはベタに恋愛物で行こう。そしてその甘い空気の流れるままイチャイチャ出来れば万々歳じゃないか、と言うソウルの青い精一杯の見栄と矜持をずたぼろに引き裂いてくれる愚行が隣から駄々漏れだった。
そんな彼女は「やめよう。これ、内容よくわかんないし、みるならガキ使がいい。」と勝手にディスクを取り出し勝手にディスクをセットし勝手に再生ボタンを押した。
あんまりだ。
「…あ、のなあ、お、俺はこう、恋愛映画を見ながらその勢いでマカとあれこれ出来ればなって言う欲ありきで選んだのに、それをお前…空気読めよ」
そしてそれを言っちゃうのかお前は。
どこまでも青い癖に変なところでソウルは正直だった。
「えーーーー…ないわ」
「ないってお前!」
「そういう口実いらないから。あれこれしたいなら自分でムード作ってよ」
「だーかーらー!ムード作りの一環だったの!恋愛映画が!」
「知らん!つまらん!くだらない!イチャつきたいなら望みどおりイチャついてやるよ!脱げオラ!」
「キャアアアアいやあああああこんなのいやあああああ」
本気を出したマカの腕っ節ににっちもさっちも歯が立たないソウルはやはりその矜持をズタボロにされ問答無用で服を引ん剥かれながら「こんなの絶対違う!」と涙を流した。
それでも結局勃つものは勃たせていた訳だが。
***
漫画のネームをきるようにさくさく5分でかけた。とは言えネーム自体さくさくかけたことはない。うそつき!
物書きさんの真似事ではなくいつか漫画にしてやろうみたいなただのプロットのようなものが携帯に見送信でごっそりあるんだけどそろそろ鬱陶しいので処分してやるのぜ。